作製・公開したのは私(所長)が大学生の時です。当時、私は生命化学の専攻で、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー関連で研究をしていました。マイクロ、ナノといったスケールをよく使っていたため、関数電卓をたたくのが割とめんどくさく、もっと直感的なインターフェースが欲しかったのです。
このアプリには、実験でありがちなミスを緩和し、効率化するための機能が複数実装されています。直感的に使えるので、入力ミスも起こりにくいと考えられますが、入力した数値が計算結果画面でも出ますので、さらにミス防止になります。
また、モル濃度から必要な溶質の量を計算する機能では、AIがオンになっている場合で、必要であれば希釈の計算を勝手にやってくれます。あとは、表示される手順どおりに調整するだけです。
このAIは、それほど高度なものではないのですが(パターンの記憶や自己発展はしません)、私が実験していた際の経験を考慮した値を返すようになっています。どういうことかというと、一般的にナノテクノロジーやバイオテクノロジーの研究室で使われる、電子天秤やマイクロピペッターの下限、つまり測り取れないような量を避け、かつ実験室に備え付けてある設備を予想して計算を行うのです。
具体例を挙げましょう。このアプリで、分子量58.44の溶質を用い、40 μM(注:本アプリでは、言語コードの互換性から、μのかわりにuを用いています)の溶液を50 mL作製したいと打ち込みます。すると、調整時の希釈指示では、全て50 mLを基準にした計算が行われます。
何故なら、最終的に50 mLの溶液を作りたいのであれば、50 mL入る容器、ビーカーやフラスコ、サンプル管瓶等が実験室にあるはずだからです。
もちろん、他にも色々あるのですが、こんな感じで研究室での実験に最適化されています。なお、このアプリは日本国内でしかリリースしていません。
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